まいど憶良(おくら)です。
北寄貝を買ってきました。
刺し身と焼貝、2品作っていきます。
コイツが今回のターゲット、北寄貝です。
前日タワシでこれでもかと表面を洗っています。
その後コイツの好みの濃度の塩水を、貝殻半分程度の水位まで入れて新聞紙で暗くしてます。
なので、
油断しきってます。
北寄貝はアサリやはまぐりのように塩水につけておいたら砂を吐いてくれるとはいきません。
ですが彼らが調理寸前までリラックスできるように3〜5%の塩水につけておきます。
貝によって、また取れた場所によってこの塩分濃度を調節します。
私は貝と一緒にわずかに入っている水を少量舐めて、その濃度をまねて様子を見、水管を出さなければ少し濃くし、駄目なら薄くします。
北寄貝はだいたいみんな塩分薄めが好きなようです。
油断しきったところを見計らい、小さめのナイフなどで貝柱を切り離します。
貝柱の場所はこちらです。
もし貝が閉じてしまったら、水管が出入りする穴が一箇所空いてますのでそこから細めのナイフなど差し込んでください。
なかなか立派なホッキです。
ぷりぷりしてます。
次に玉(身)とヒモを離します。
玉をムンズと掴んでくるりと引っ張ると、
包丁なしでも切り離せます。
こんな感じ。
ヒモの掃除をします。
水管の周りについている薄くて広いビラビラしたやつ。
今取り除いている、これがエラらしいです。
食べられません。
水管を半分だけ切ります。
ヒモの周りに付いている黒い部分を包丁の先でこそぎ取ります。
玉の黒い部分を上にし、白い部分に包丁を水平に入れて開きます。
最後まで切り離さないほうがこの後扱いやすいので開くイメージで。
開くと茶色い部分(内蔵)がありますので包丁の先でこそぎ取ります。
このくらい。
きれいになりました。
この内臓部分に砂を溜め込んでいるんだそうです。
(食べたことがないから確かめてはないです)
裏返してこのあたりのビラビラした部分も取ります。
だいたい茶色とか黒い部分を取る、と考えておくと良いと思います。
あ、上の写真の下側は茶色ですがここは美味しいところです。
捨てないでね。
掃除した部分。
これは捨てます。
画面右側に2つ離して置いてあるのは寄生虫です。
コイツはヒモビルという寄生虫です。
ヒルという名前ですが触っても人の血を吸うわけではないです。
生のまま食べても害はありませんが、気持ち悪いので取り除きます。
美味しいかどうかは試したことがないので分かりません。
今回はいませんでしたが、アニサキスという寄生虫もいることがあるようです。
アニサキスはもっと細くてだいたいクルンとしてたりくねくねしてます。
これは生のまま食べると3、4日は痛みや吐き気に襲われることになります。
北寄貝に限らず、かなりいろんな魚にもいることがありますので紐っぽいものを発見したら取り除きましょう。
一応マイナス20度で24時間以上の冷凍、60度で一分以上の加熱で死滅します。
生きてなければ大丈夫とされています。
これは、寄生虫ではなく桿晶体(かんしょうたい)という内蔵です。
無害ですが味もしません。
食感が楽しいので食べる方も多いようです。
食べられるところを塩水で洗い、ぬめりを取ります。
水管には透明なヌメッとした薄皮がついてますので取ります。
取れなくても湯通しした後取りやすくなりますのでご安心を。
身の部分はだいたい5〜10秒程度熱湯に入れます。
生でも食べられ、噛むほどに旨味が出るようです。
でも
加熱するとプリッとした歯ごたえ、甘みが増す、色がきれいというメリットがあるのでウチでは秒数関係なく色が出るまで加熱します。
綺麗でしょ。
色が変わったらすぐに氷水に。
ヒモと貝柱は2〜30秒と少し長めに火を入れます。
雑菌が比較的多いということと、臭みを抑えるためです。
さて、貝殻は内側もタワシで洗い、
煮沸しました。
食べる部分はキッチンペーパーで優しく、しかし断固として拭きます。
右上のペーパーに注目していただくとかなり黄色くなっていることがおわかりかと思いますが、これが雑味の原因となります。
水管もここできれいに拭き取ります。
刺し身は白い部分に2センチ間隔ぐらいに切り込みを入れます。
焼貝は細切りにします。
刺し身
貝殻にツマと大葉を乗せて、ヒモ、貝柱をその上に。
貝柱はたまに砂が混じってしまうことがあるので、ガリっというのは絶対イヤだという方は食べません。
味はとても良いので丁寧に洗って、それでもガリっというなら仕方ないと思える方は食べましょう。
食べやすい大きさに切ります。
今回は縦に四等分しました。
これで北寄貝の刺し身の完成です。
焼貝
網の上に周りをクシャッとさせたアルミホイルを乗せます。
貝殻を安定させるためです。
酒を半分くらいまで注ぎ、火をつけます。
クツクツいい出したら
バターを乗せ、だいたい溶けてきたら
醤油を垂らします。
火を通さずとも食べられるので、いい匂いだなと思ったら日を止めます。
バターも勝手に予熱で溶けます。
刺し身と
焼貝、手間ひまかけた御馳走です。
同時進行で作っていた、
甘鯛の塩焼きと、
甘鯛の煮付け、各半身ずつと一緒にいただきました。
あゝ美味しかった!